あなた自身が、あなたの大切な家族・友人・会社の同僚・部下などがミソフォニアだとわかったら…。
語源や症状、治療法などをまとめてみました。
※筆者は、医者や研究者ではありません。ただの当事者です。ご了承ください。


ミソフォニアとは、ギリシャ語で『嫌い』を意味する【ミソ】と
『音』を意味する【フォニア】から作られた言葉で、日本語では
"音嫌悪症"と訳されます。
特定の音に対して否定的な感情(怒り、逃避反応、憎しみ、嫌悪
など)が起こります。音の大小によりません。トリガー音(きっかけ
となる音)は、主に【他人が出す音】と【環境が出す音】の2つ
です。(kirikoは)自分の出す音には反応しません(嫌いな人もいる
ようです)。耳鼻科医や精神科医、心療内科医の間にも知られておらず、脳の病気ではないかと考えられています。
2020年度「イグノーベル賞」(「人々を笑わせ考えさせた研究」
に与えられる賞)医学賞を受賞しました。(同時に受賞した研究の「人💩ナイフ」とかくだらなすぎて笑えるwww 興味のある方は
こちらをご覧ください)
❖聴覚過敏とミソフォニアの違い
聴覚過敏:聞こえてくる「すべての音」を取捨選択できずに拾ってしまい、周囲の音が聞こえすぎて、一つ一つの音を聞き分けることが
できなくてすべての音が「大きくて鋭い音」と脳が判断。基本的に「大きな音」が恐怖に感じます。
ミソフォニア:「特定の音」に対して異常なほどの怒りや不安を感じ、音の大小によりません。聴覚過敏の感情よりも尋常でない大きさ。
聴覚過敏が「音のナイフ」なら、ミソフォニアは「音の洪水」「音のシャワー」。
❖トリガー音の一例
あくまでも一例です。人によって様々です。※太字はkirikoのトリガー音
【他人が出す音】*こちらの方が主流だと思われます。
麺類をすする音、咀嚼音、スープなど汁をすする音・飲みこむ音・飲む時のゴクゴク音、鼻をすする音・かむ音・鼻声、咳払い・咳、
くしゃみ、呼吸音、話すときに出るリップ音・唇をなめる音、舌打ち、唾を吐く音、口笛・鼻歌・歌声、話声・笑い声・内緒話、独り言、
騒ぎ声・大声・叫び声、歯磨きの音、歯が当たる音、いびき、あくび、ため息、しゃっくり、ゲップ、おなら、お腹が鳴る音、ガムをかむ音、飴をなめる音・かみ砕く音、爪を噛む音・爪を切る音、足音、赤ちゃんの泣き声、子どもの声 などなど
【環境が出す音】
パソコンや電卓などのタイピング音、リモコンを操作する音、エアコンや空気清浄機などの空調の音、掃除機・洗濯機・乾燥機の音、調理中の音、空気の流れる音、冷蔵庫の音、車が通る音・クラクション、人が椅子から立ち上がる音・座る音、電話のベル、
キッチンタイマーの鳴る音(通所していた就労移行で、1分ごとに時間を計っている男性利用者がいて腹が立っていました)などなど
【「トリガー」とまではいかない不快音】※これは、kirikoの主観かもしれません。
黒板を爪でひっかく音、工事の音、花火の破裂音、フードコートなどでの話し声など多くの人も不快と感じるであろう不快な音や大きな音、
美容室でのシャンプーの音・カット音・ドライヤーの音 など
・・・と、挙げればキリがありません。
ここまで見ていて気が付いた方もいるかもしれません。そう。これらの音は、人が日常的に見聞きする音、一定の間隔で繰り返される音
という特徴があります。そのため、ミソフォニアの患者は、日常生活に大きな影響を与えます。
また、トリガー音とそれに関連する繰り返される動きを見ると同じような「怒り」の症状があらわれる患者が大多数います。
・麵類を啜る音 × 麺類を食べている姿
・咀嚼音 × 口をあけて食べている姿
・歯を磨く音 × 歯磨きをしている姿
などがその例です。しかし、例外として、貧乏ゆすりなど関連しない動作にも症状が現れることがあります。いずれにしても、なぜか機械が
一定の速さで動く様子には反応せず、人の動作にのみ反応するという性質があります。それを「ミソキネシア」とよび、ミソフォニアとはまた別の病気です。
❖ミソフォニアの症状
前述のような様々な音に対するミソフォニアの反応は、おもに、感情・身体反応・行動の3つの側面から出現します。
●過敏な否定的感情(kirikoはこちらです)
・強い不安や恐怖
・怒り(不快以上の言いようのない怒りの感情、●意 私だけでなく患者のほとんどがこの反応が主だと思います)
・激しい嫌悪感や憎しみ
・逃避反応
●神経症的身体反応
・動悸・息切れ
・心拍数の上昇
・手足の震え
・筋肉の緊張
・多汗・発汗
・過呼吸
・パニック発作
●攻撃的行動
・音源となっている人や物への暴力
・自傷行為
上記を読んだ方は、「怖い・・・」「近寄りたくない・・・」などと感じてしまったかもしれません。無理もありません。自分でも、当然
こんな感情にはなりたくありません。
しかし、これらの反応は、無意識に反射的に起きてしまうのです。制御できないのです。制御しようとしたら、さらに強い反応になって出現
します。これが、現実なのです。
ここで、この「MISOPHONIA WEB」をご覧いただいている方だけに特別に、kirikoが両親並びに通院している精神科の主治医や臨床心理士さんなどに理解していただくためにお渡しした、自作の説明用紙をお見せします。門外不出です。(←誰も頼んでいない。需要もない。)
こちらからどうぞ。
そして、2019年、漫画家の中川海二(かいに)さんがTwitter上にあげた漫画が、ミソフォニアを初めて知ったという方から当事者まで幅広くコメントが寄せられ、大好評になりました。
こちらのページからお読みください。











❖ミソフォニアの原因(仮説)
1990年代から研究が始まり、2000年代に盛んになり、2010年前後から知られるようになった、まだ日が浅い疾患です。まだ医学的認知は
ありません。
アベマプライムで放送され、Yahoo!ニュースにもなり、そしてイグノーベル賞医学賞も受賞し、やっと少しずつ日の目を浴びてきたかなあ。
といったところではありますが、日本ではまだまだ一般認知度どころか、医師間でさえ、全く知られていません。
世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD)にも載っていません。
☆仮説1 先天的な脳の障害説
“イギリスのニューカッスル大学医学部の研究チームが、ミソフォニアの患者20名とミソフォニアの症状を持たない22名を対象に脳のMRI
を撮影。その結果、ミソフォニアの患者は、トリガー音を聞いているときに感情の処理や制御を行う「島皮質」とよばれる部位が異常な興奮
状態にあることが明らかになりました。この反応は、「怒り」を示すもので、雨音などの自然音や女性の金切声など一般の人も不快に感じる音を聞いているときには見られませんでした。”
上記のように先天的な脳の構造によるものだとすれば、治療は難しいです。が、認知行動療法などにより回復する人も海外では多いそうなので、先天的とは言えません。
☆仮説2 後天的な「規範意識」説
「規範意識」とは、ルールやマナーを守ることを重視する考えの事を意味します。「食事中に口を開けて食べて音を立てるのはよくない」、「貧乏ゆすりは見ていて不快に感じる」などといった規範意識が高すぎることが原因ではないかという説です。
後天的な規範意識によるものだとすれば、認知行動療法などで治療は可能です。現に「日本ミソフォニア協会」の代表の方も認知行動療法により克服されましたし、私も、少し症状が落ち着いてきています。
☆仮説3 トラウマ、強烈なストレス説
ミソフォニアのトリガー音は、自然に発生するパターン(原因不明)とストレスやトラウマによって発生するパターンの2種類によって増えることが研究の結果、わかりました。
ストレスがたまってしまうと自律神経が乱れて体に様々な影響を及ぼします。脳に影響が出ると、何らかの理由で、脳内で伝達中に異常な記憶や回路が生成され、音が鳴っただけで怒りの感情が沸き上がることもあると考えられます。
(kirikoは、同級生に咀嚼音を指摘されたというトラウマから?)
☆仮説4 耳鳴りの長期間放置説
耳鳴りを放置し続けると、ストレスになり、自律神経が乱れて自律神経失調症になったり、聴覚過敏の症状が出る可能性もあります。同じ
ように、ミソフォニアになる可能性も捨てきれません。
☆仮説5 発達障害による発症説
自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達障害の患者は、五感が敏感になりやすいといわれています。
「心感」が敏感な人が、巷で「HSP」と呼ばれている人々ですね。
聴覚過敏とは、その名の通り、聴覚が異常に過敏になる症状を言います。本来、人は複数の音がある状況でも、聴きたい音とそれ以外を区別
して認識しています。しかし、聴覚過敏の人は、その区別がつかなかったり、ある特定の音を必要以上に聞き取ってしまったりします。その
結果、疲れてしまい、苦痛に感じてしまいます。
ミソフォニアも、「音に対する不安や恐怖心」が芽生えるという点では共通しています。また、どちらも脳の伝達中の不具合と考えられて
います。
そのため、発達障害が由来で聴覚過敏を発症した際、ミソフォニアも同じように発症するのではないか。という考えからです。
☆仮説6 うつ病の長期化または重症化説
仮説3、4と同様で、ストレスがたまるとうつ病になる危険が大きいです。うつ病になると、自律神経のバランスが乱れ、聴覚過敏の症状が起こることがあります。よって、ミソフォニアについてもおなじことがいえます。
・・・と、以上6つの仮説を立ててみましたが、これらは、仮説にすぎません。ミソフォニアの原因は、はっきりしていません。
❖ミソフォニアの症状の言語化
ミソフォニアの症状がどういったものなのかは、上記のとおりです。しかし、いまいち理解が難しいことでしょう。
そこで、ミソフォニアの症状のない方にも理解していただけるのではないかという表現を考えてみました。
ミソフォニアの感情は、主に「怒り」「不安」、そして、症状がまた出てしまったという「悲しみ」の感情を抱く方もいるようです。
ちなみに、「不快感」ならば、ミソフォニアでない方でも不快に感じるであろう<「黒板を爪でひっかいた音」を繰り返し何度も聞かされる
感じ>と表現すれば、なんとなく想像がつくのではないでしょうか?
《怒り》
・直接悪口を言われたとき 身に覚えがあってもなくても、面と向かって悪口を言われたら、言いようのない怒りが自然に沸きますよね?
・嫌味を言われたとき 同じように、嫌味を言われたら嫌ですよね。「怒り」のほかに「嫌悪感」も生まれますよね。「嫌悪感」こそ、
ミソフォニアの感情そのものですから。
・絶対にやりたくないことを強要されたとき パワハラなどの圧力をかけられて、立場的に、嫌でもやらざるを得ない事って、ありますよね?
・事前に嫌だと伝えてあることをされたとき 悪意がないのが分かっているときは許せても、悪意丸出しのときは制御できないですよね?
・すれ違いざまに暴言を吐かれたとき 顔見知りではない人にいきなり「ブス」「バカ」「キモい」「〇ね」などと言われたら、誰だって
嫌ですよね?突然のトリガー音を聞いてしまったときには、この感情に近いように思います。
《不安》
・新しいことに挑戦するとき 新しいことに挑戦するときは、「期待」と「不安」が入り混じった感情になると思います。
・お化け屋敷に入るとき ゾクゾクして足がすくんでしまう恐怖感があると思います。
・がけっぷちを歩くとき こちらも、ソワソワして足がすくんでしまう恐怖感だと思います。
・グロいものを見てしまったとき 瞬発的に身構えてしまう状況が、ミソフォニアの症状に似ていると思います。
・思いがけない病気の宣告をされたとき 予期せぬトリガー音を聞き、頭が真っ白になってしまう状況は、思わぬ大病を宣告された時の心境
に似ていると思います。
・頼りにしていた人から突き放されたとき 「えっ!何で?うそでしょう?これから私どうすればいいの?」という心もとない不安感を抱くと
思います。
《悲しみ》《落ち込み》
・仕事でミスをし叱られたとき 叱られて謝罪をしたり長時間叱責されると、自己肯定感を失います。自分に非があった場合は、「自分は
ダメ人間だ・・_|\○_ 」と落ち込み、自己肯定感がダダ下がりしますよね。
・一方的に叱られ続けアフターフォローのないとき 子供のころ、悪い事をして叱られた時、お父さんが叱ったらお母さんはフォローに
まわるという役割分担が両親の間になされていた場合は、自分が悪かったという反省
と立ち直りが早いですが、誰からもフォローされない、または両親が互いをかばい、
子供が叱られるだけという状況は、ただ自分を責めるだけで立ち直れませんよね。
そうなると、自己肯定感の低い人間に育ちます。kirikoがそうです。
・楽しみにしていた予定がドタキャンになったとき 「なんで?どうして?せっかく楽しみにしていたのに・・・」と失望する気持ち。
・信頼していた人に裏切られたとき 家族や友人、恋人などの関係が深い人から裏切られたときのショックはとても大きいですよね。関係の
深い人のトリガー音を聞いてしまった時は、ミソフォニアということを打ち明けていてもいなくても、
その気持ちに似ていると思います。
・劣等感を感じているとき 「自分はあの人より劣っているなぁ・・・」と認識したとき、人は自己肯定感がダダ下がりになります。
・自己嫌悪を感じるような出来事が起きたとき 「自分ってダメ人間だなぁ・・・_|\○_ 」と自己嫌悪に陥っているとき。
(以下、ミソフォニア当事者向け)
ミソフォニア当事者は、トリガー音を聞いてしまうと思考力が低下し、ネガティブ感情が支配してしまい、相手に理解してもらうために訴え
るとき、どうしても、「ムカつく!」「あなたのその音が嫌いだからやめて!」などと感情的な伝え方になってしまいます。そうすると、相手
は相手なりに理解しようと「みんなそうだよ」「そのうち慣れるよ」などと励まそうとして言ってもそれが当事者にとっては「全然理解して
くれない!」ととらえて逆ギレするので相手はただ傷つき、「わがまま!」「自分勝手!」と感じてしまい、どこまでも平行線です。
落ち着いて「例えばこういうときあなたならどう思う?ミソフォニアの症状はそんな感じなの」と言えば、相手も理解しやすく、配慮しやすく
なるのではないでしょうか。「あなた自身の事は嫌いではないけれど、音がどうしても苦手なの。こんな気持ちになってしまう自分も凄く嫌
なの」と落ち着いて話せれば、どんなに良いことか・・・。(自戒をこめて・・・・)
❖ミソフォニア自己診断チェックリスト
ご自分がミソフォニアの症状があるかどうか、まずこれらのサイトでいくつあてはまるかチェックしてみてください。
まずは、ミソフォニア研究における権威であるニューカッスル大学が公開した、ミソフォニアのセルフチェック動画
上の動画を見て、ミソフォニアの症状が現れるか、確認してみてください。
ちなみに私は、ガヤガヤした声、女性の金切り声、赤ちゃんの泣き声、咀嚼音(これが一番!)が不快でした。
0:35~0:45は、私には何も聞こえませんでした。
この動画の日本版を自分で作りました。オープンチャットのメンバーさんが苦手な音を集計し、上位6音を動画にしました。
次に、元ミソフォニア当事者の方のオリジナル質問25問。こちらから。
ちなみに私は、30点の「中程度以上」でした。何度やっても点数は変わりません。
次に紹介するのも、元ミソフォニア当事者の方のオリジナル質問12問と、アムステルダムのミソフォニア基準。こちらから。
ちなみに私は、12の質問は、10個でした。アムステルダムのミソフォニア基準は、0が2個、1が4個でした。
みなさんは、いかがでしたでしょうか?
❖ミソフォニアは何科に受診すればいいの?
ミソフォニアは、まだまだ研究段階の病気のため、治療法が確立されておらず、残念ながら専門医も少ないです(いや、日本にはいない?)。
ただし、上記の仮説5のように、発達障害の症状の一つである聴覚過敏症に近い(本当は別物だけれど)ということもあり、聴覚過敏を診断
してくれる病院をまずは探しましょう。聴覚過敏の場合は、
●精神科
●心療内科
●耳鼻科
が該当します。
ただし、これらの科の医師が、聴覚過敏は知っていても、ミソフォニアを知っているとは限りません。ご了承ください。
耳鼻科で相談しても、聴覚に異常はなければ、「気にしすぎ」「神経質」などと言われてしまう可能性もあります。
ちなみに、精神科と心療内科の違いですが、一言でいうと、
精神科は、【「心(精神)」に主な症状が現れている病気】→【精神状態が中心】 うつ病や不安障害、双極性障害や統合失調症など
一方、心療内科は、【「身体」に主な症状が現れている病気】→【身体症状が中心】
緊張型頭痛、過敏性腸症候群などの自律神経症状が中心の病気、
高血圧や糖尿病、喘息といったストレスが悪化の要因となる病気など
ミソフォニアって、動悸・息切れなど身体症状も現れるから、心療内科でしょうかね。現に、精神科では、聴覚過敏扱いですから。
しかし、仮説1のように、音を聞いたら島皮質が異常興奮するという結果が出ていることからすると、やはり脳の病気でしょうか。
だとすると、聴覚障害を扱う脳神経外科か、記憶や感情をつかさどる脳神経を診る脳神経内科でしょうか。
聴覚過敏、不安障害、双極性障害、統合失調症などと診断されて診断書を出してもらう方もいるそうです。
ちなみに、医師の中には、患者が自分で病名を提示されるのを嫌がる人もいますので、症状だけを訴えるようにしましょう。
kirikoも症状を訴え、上記の資料を作りお渡しした結果、聴覚過敏と主治医は判断しました。
ちょっと違うんだけどなぁ・・・と思ったり。
❖治療法
先にも述べたとおり、ミソフォニアは、まだ治療法が確立されていません。そのため、有効な治療法は、ありません。
ただ、ニューカッスル大学やその他の研究結果から、効果があったという方法をいくつかご紹介します。
しかし、ご自身に合うかどうかは、個人差がありますので、あくまでも参考程度に。
まずは、kirikoがなんとなく効果を感じている方法から。
●感情の高ぶりを抑えてくれる効果のある漢方『抑肝散加陳皮半夏(ヨクカンサンカチンピハンゲ)』を飲む
ドラッグストアでも買えるそうですが、医師に処方してもらった方がいいと思います。
夜泣きの赤ちゃんとお母さんも飲むという「マイルドな薬」です。苦くなく、飲みやすいです。(※個人の感想です)
現に、一年以上飲み続けているので、症状が安定しています。
錠剤と顆粒の2種類ありますが、私は、顆粒タイプです。
●HRV呼吸法で呼吸
カウンセリングの先生に教わった呼吸法です。胸式呼吸が未だ難しいですが、気持ちが落ち着きます。
●iPhone、android携帯電話アプリの「心のコヒーレンス」で呼吸
これも、カウンセリングの先生に教わりました。上記の呼吸法がつかめない時、このアプリの動くバーに合わせて呼吸すると良いでしょう。
ビーチの絵と波の音で心を癒してくれます。海外製作のアプリなので、日本語が変ですが。
●暴露療法(ばくろりょうほう)
「認知行動療法」のひとつで、耳栓などなしで実際にその音のする場にいてその音自体に慣れていくという「荒治療」です。
Youtubeなどでその音を聞くのもいいでしょう。
しかし、kirikoは実際にそれでいくらか効果がありましたし、実際にこの方法で克服した人もいます。
でも、これは、一層その音が苦手になる危険もあります。自己判断でお試しください。
当方は、一切責任を負いかねます。
●EFTタッピング
これも、カウンセリングの先生に教わりました。最初のカウンセリングの日に、母に手伝ってもらいながらしました。
検索すると、タッピングの前に、「悩みを書きだし、フレーズを作成する」というのが多く出てきますが、私は、フレーズは作らず、
自己紹介ページに書いた、ミソフォニアになったきっかけの不良少女の名前と顔を思いだしました。
そして、現段階での彼女への怒りを0~10で不快感を点数化します。
その後、以下のツボを以下の順で親指をのぞく4本の指で軽くリズミカルにたたきます。
1.頭のてっぺん
2.眉がしら
3.目の横
4.目の下
5.鼻の中央
6.あごの中央
7.鎖骨の下
8.脇の下
タッピングが終わったら、不快感の点数化を再度チェックします。
まだ怒りが残っているなら、0に近くなるまで繰り返します。
この方法で、私は、彼女への怒りが和らぎました。
●アンガーマネジメント 就労移行支援事業所に通っていたときに教わりました。
◆6秒ルール
怒りを感じた時に、最初の6秒間を耐えることができれば、その後は怒りが静まっていくというものです。
怒りを感じた時に反射的に行動するのではなく、心の中でゆっくり6秒数えると不思議と怒りが静まります。
◆怒りの点数化
10段階や100点満点で怒りを評価します。
点数化することで、客観的に、冷静に、自分の怒りを観察することができるようになります。
◆その場から離れる
怒りを感じたらその場から離れてみるのも一つの手です。職場なら、一度トイレに席を立つなど物理的に場所を変えてみます。
場所が変わることで、気持ちがリフレッシュできることがあります。
トリガー音が聞こえたら、可能であれば、トイレに立ったり、外の空気を吸うなどしてみると、リフレッシュできるかもしれません。
◆リフレーミング
リフレーミングとは、ある枠組み(フレーム)でとらえられている物事からフレームを一度外し、別のフレームを適用させて物事を考える
ことです。
例えば、高圧的な言動をする上司がいる場合、「この人は高圧的な事を言ったり態度が高圧的で嫌だ!」と毛嫌いするのではなく、
「この人が高圧的な言い方をしたり、態度をとるのには、何か理由があるのではないか」「私の仕事の仕方が間違っているからいら立って
いるのではないか」などと上司目線の思考をしてみると、こちらも、その人への接し方が変わってきます。
次に、オープンチャットのメンバーさんが実践して効果があったという治療法です。
●便秘に効く漢方『七ふく』と、腸内解毒効果のある『ベアフル酵素ドリンク』を毎日少しずつ飲む。
それを二本柱で続けることにより効果を感じ始めたそうです。
最後に、世界でそれなりにエビデンスのとれている治療方法です。
●TMS(磁気刺激)治療
頭に低刺激の電流をあてて、脳内の神経由来因子を増加させ、新しい脳細胞を生成し、新しい脳神経伝達系の接続関係を形成します。
この治療法は、欧米では、うつ病を始め様々な疾患に応用されています。耳鳴りや片頭痛にも効果があるようです。
ただし、施設によって値段設定は様々ですが、3000円~と高額なため、継続治療よりも1回きりの治療として考えたほうがよさそうです。
●CBDクリームを塗る
CBD(カンナビジオール)とは、大麻草の茎や種子から抽出される成分のひとつです(もちろん、合法)。
多くの健康・治療効果が期待されていて、副作用が非常に少ないことから健康維持や症状の緩和を目的として、注目を集めています。
そのCBDを肌に塗りこむことで肌からCBDを摂取します。
アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、疼痛、精神病、不安症、抑うつ、がん、悪心、炎症性疾患、関節リウマチ、感染症、
クローン病、心血管疾患、糖尿病合併症に有効であるとWHOが推定しています。
よって、不安症状も引き起こすミソフォニアにおいても有効であると考えられます。
●患者の周りの環境に騒音を加える
増加した雑音によりトリガー音を聞くことが少なくなり、反応も少なくなると考えられます。
欧米では、この方法により治療された182人の患者のうち83%において、症状の重症度に短期的な軽減を果たしたと発表されました。
●認知行動療法による治療
1人の成人女性と2人の未成年者の症状の軽減が成功した、とケーススタディーの記事が報告されています。
●耳鳴り順応療法(TRT療法)
「Tinnitus Retraining Therapy」の略称で直訳すると「再訓練療法」となります。
「不快な音」と認知してしまっている音を、訓練によって川のせせらぎの音のように「快適で意識しない音」として無意識に順応
させていく治療法です。
耳鳴りに対する治療法ではありますが、特定の音を「不快な音」と認知してしまう症状であるミソフォニアにも有効であると考えられます。
●森田療法
1919年(大正8年)に森田正馬(もりたまさたけ)によって開発された心理療法で、不安障害、強迫性障害、うつ病、PTSD、パニック
障害、心身症などにも適用されています。不安や恐怖を排除するのではなく「あるがまま」を受け入れて心身の健康を取り戻していく治療法
です。不安症状も引き起こすミソフォニアにおいても有効であると考えられます。
❖対策
対策としては、苦手な音を避けることです。(太字は、kirikoが実際に行っていることです)
*音を遮断する:耳栓やノイズキャンセリング機能の搭載されたヘッドホン、イヤーマフ、イヤホンなどを使用して周りの音を軽減させる。
*音を避ける:家族と別室で食事をする、可能であれば別室受験をする、通信制の学校に進学・転校する、休校・休職する、他人とあまり
かかわらない職に就くなどして、なるべくその場を離れる。
*苦手な音を出さないよう相手に要求する:なるべく音を立てないように相手に要求する。
(ただし、角が立たないよう言い方に気を付ける必要があります)
❖おすすめ耳栓・イヤホン・ヘッドホン
kirikoならびに、ミソフォニア系オープンチャット、LiD/APDオープンチャットのメンバーさんが実際に使っていておすすめの商品をご紹介
します。(2025年1月現在)
*ワイヤレスイヤホン
まず、ワイヤレスイヤホンといえば、これ。 Air Pods シリーズ
続いては、kirikoも愛用している、ノイズキャンセリング機能掲載ブランド最大手BOSEから
Quiet Comfort Earbudsシリーズ(kirikoは、ultra Earbudsのムーンストーンブルー)
(ヘッドホンも有り)
他には、ANKER soundcoreシリーズ、SONY WF-1000XMシリーズ(ヘッドホンは、WH-1000XMシリーズ)、ELECOM LBT-TWSシリーズ、
HUAWEI FreeBudsシリーズ、M-SOUNDS MS-TW33(グリーン×ゴールド、レッド×ブラックシルバーの2色)など。
*有線イヤホン
有線イヤホンでは、SHURE社の商品(完全ワイヤレスイヤホンも有り)、
キングジムのデジタル耳栓シリーズ(MM3000はワイヤレス、MM4000は有線)
がおすすめ。
私kirikoの使用している有線イヤホンは、「ノイズキャンセリング耳栓 Silent Gear Mu-On 」。
現在在庫切れで再入荷予定もなし(´;ω;`)
*耳栓
耳栓は、UVEX、Loop Quiet、クオリネ、そして、kirikoも使っているモルデックス(kirikoはCamo Plugs)がおすすめ。
*ヘッドホン
ヘッドホンなら、SONY WHシリーズ、ANKER soundcoreシリーズなどがおすすめ。
最新のROSE DISTANT MOUNTAINは、締め付けが苦手な人におすすめ。80年代風クラシックデザインがヘッドホンにしては珍しい。
❖ミソフォニア患者さまが身近におられるご家族・ご友人・学校/会社等関係の支援者さまへ
ミソフォニアの患者は、日常生活にあふれる様々な音に、自分でも制御できない異常な怒りや不安・恐怖を感じ、
日々を過ごすことに疲れています。
ミソフォニアではない方々からすれば、「こんな音ぐらいで」「大げさだ」「わがまま」「神経質」などと理解に
苦しむことでしょう。
完全に理解することは難しいとは思いますが、少しでも寄り添っていただけると、とても助かります。
誰かがわかってくれる。そう思うだけで、症状が落ち着いたりします。安心します。
思ったとしても、当事者に直接否定的な言葉を投げかけないでいただきたいです。
麺類を啜る音が苦手な患者がいたら、難しいとは思いますがなるべく音を立てないで食べる、
別室や時間をずらして食べること、耳栓やイヤホン・ヘッドホンなどをして食べることを認める
など、寛容な措置をとっていただけると嬉しいです。
❖最後に
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。長々と失礼いたしましたm(__)m
ミソフォニア当事者として、少しでも多くの方にこの病気を知っていただき、当事者が落ち着いた日常を送れる日がくることを祈りながら
ここまで書いてきました。
いつか、「病気」としてWHOのICDにも掲載される日が来ることを願っています……(-人-)
