私のミソフォニア歴
物心ついたころからすでに麺類を啜る音は苦手でした。
「なぜ音を立てて食べるのがマナーになっているのだろう?男はまだしも、女が音を立てて食べるなんて汚い」と幼心に思っていました。
もともと吸引力が低かったので、自分では吸いませんでした。
中1のとき、同級生(不良女子)に給食の時、「kirikoの食べる音がうるさい」と言われました。後にも先にも、他人にそんなことを
言われたのは初めてです。頭に来た私は、(今ではとても無理ですが)「●●こそうるさい!」と言い返しました。同じ班の子たちは
「よくあの子に言い返せるね」という感じで引いていました(あの頃の私は純真無垢だったのでしょう^_^A こちらをご参照下さい)。
それ以降、食事の時は気を付けたし、家族の咀嚼音(特に父)が気になりだし嫌になりました。まだ強い怒りまでではありませんでした。
その後、麵類を啜る音(家族、他人も)と咀嚼音(家族の音だけ)以外は特に気になりませんでしたが、2019年10月から就労移行支援
事業所に通うようになって、まず、パソコンのタイピング音(すべてのキー)が異様に大きな男女の利用者さん(両者共に卒業済み)の
タイピング音に集中できず、そこで初めて強い怒りを覚えました。最初は発達障害による聴覚過敏だと思っていました。しかし、SNS
で調べているうちに、ついにtwitterで「ミソフォニア」という名前に出会いました。症状を知り、「自分はこれだ!」とわかりました。
それ以降、父のかける掃除機の音(父は綺麗好き)やスリッパの音、笑い声、話し声、咳、咳払い等どんどん増えていきました。
音以外にも、貧乏ゆすりもダメです。また、カップ麺を作っている姿を見るだけで身構えてしまいます(啜って食べる姿が想像できて
しまうため)。訓練の一環である企業で清掃の実習を5日間させて頂いた際、機械が動く音、乾燥機、洗濯機の動く音もトリガー音に
加わりました。
トリガー音は、なぜか、ノイズキャンセリング耳栓をしても聞こえてしまいます。控えめにカップ麺を食べている利用者さんにも強い
怒りがこみあげます。相手は嫌いではない(むしろ好き)のに出す音が憎い。でも、当然本人には言えない。正直辛いです。
現在、精神科で診察とカウンセリング治療、服薬(漢方83番「抑肝散加陳皮半夏」)をしています。主治医やカウンセラーさん(臨床心理士)はご存じないようで、(ミソフォニアはまだ研究段階の症状のため正式な病気と認められておらず、精神科・心療内科・脳外科医にもほとんど無名)聴覚過敏による音疲れのイライラの改善策として通院中です。
現在、仕事上で、掃除機の音が特に苦手なので、多少聞こえにくくなるが人の声は聞こえることを説明し、上司に耳栓の使用許可をもらい、使用しつつ、自分の仕事に集中するよう自分に言い聞かせながら仕事をしています。
また、自主的に、耳栓をせずに呼吸法などにより堪える特訓(認知行動療法の一種・「暴露療法」)をしています。その甲斐もあり、
トリガー音を聞いても、怒りのボルテージが下がってきています。(麵類を啜る音だけはどうしても耐えられません)
以上、よろしくお願いいたします。